今年9月3日、中国北京では、経済連携のための「中国・アフリカ協力フォーラム」が開催されました。
習近平国家主席はオープニングスピーチで、
「今後600億ドルの金融支援をアフリカ諸国に行う」と表明しましたが、
中国の習近平国家主席が提案した中国から欧州、アフリカを連結した新シルクロード構想(一帯一路)が暗礁に乗り上げてきたとも言われています。
その象徴的な出来事として、
アフリカ最貧国シエラレオネが中国から4億ドルの融資を受けて新空港建設するプロジェクトを破棄すると発表しました。
理由としては、自国の経済規模を超える融資を受けても返還できず、最終的には債務不履行(デフォルト)に陥る危険性が高いからとのこと。
今年4月に就任したシエラレオネのジュリアス・マダ・ビオ大統領は「首都フリータウンに新たな空港を建設する必要性がない」と判断したそうです。
フリータウンの新空港建設案は、前政権アーネスト・バイ・コロマ前大統領が3月の政権交代前に、中国との融資契約を結んだもので、
経済的効果を慎重に検討せずに締結したものだと報じられています。
中国は、連携国へのインフラ整備事業・一帯一路構想に基づき、アジアやアフリカの途上国に高額な融資をしていると共に、政治的影響力を拡大しています。
資金は中国政府系ファンドが融資を行い、労働者や建設事業は中国が請け負う。
現地経済に寄与するものが少なく、現地権力者らの腐敗を生み出すとして“債務トラップ外交”と呼ばれている」とも呼ばれています。
他に、マレーシアのモハマド首相は8月、政権復帰早々220億ドル相当の中国支援のインフラ計画の中止を発表しています。
その理由もシエラレオネの場合と似ていて、
マハティール首相は、「同計画はマレーシアには必要ない。高額な債務を押しつけないように」と中国共産党政権に警告を発しているそうです。
シエラレオネやマレーシアは巨額の債務を抱える前に再考し中国からの融資を断りましたが、中国の融資を受けたために、債務危機に陥っている国があるからです。
その国はスリランカです。
スリランカのマヒンダ・ラジャパクサ政権は中国から数十億ドルの融資と支援を受け入れましたが、インド洋の重要戦略港湾ハンバントータ港の運営権を中国に対して99年契約で明け渡しました。
さらに大規模な埋め立て工事を伴う新港湾コロンボ港も建設中で、中国からの巨額の融資を受けたスリランカは撤退するのが遅すぎて、身動きができなくなってきているそうです。
次はどうなるか?
おそらく条件が下がると思います。
やはり融資をするところがなくなれば困るのも中国です。
また、お金が余ってくると別のところへ流れる可能性も高いので、新たな道が見えてくると思いますし、ゼロにはなりません。
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